最低賃金法改正(平成19年12月5日以降1年以内にて施行)
1.地域別最低賃金の原則
今回の改正にて、地域別最低賃金を決定する場合には、労働者が健康で文化的な最低限度の
生活を営むことができるよう、生活保護の施策との整合性にも配慮することとなった。具体的な
金額は、都道府県ごとに決定される。
なお地域別最低賃金の不払の場合の罰金額の上限が2万円から50万円に引き上げられた。
2.産業別最低賃金
不払は労働基準法の罰則が適用
産業別最低賃金については、その不払については、最低賃金法の罰則は適用されなくなり、
労働基準法の賃金の全額払違反の罰則(罰金の上限額30万円)が適用される。
3.適用除外規定の見直し
障害により著しく労働能力の低い者等に関する適用除外が廃止され、最低賃金の減額特例*
が新設された。
【減額特例】
現行の最低賃金法では、次の4つの労働者について、都道府県労働局長の許可を受けた場合
に最低賃金の適用から除外することができた。
★精神または身体の障害により著しく労働能力の低い者
★試の使用期間中の者
★職業訓練を受けている者
★軽易な業務に従事する者
今回の改正ではこの適用除外が廃止され、最低賃金の減額特例が新設。
これにより、減額特例の対象となる労働者の最低賃金については、通常適用される最低賃金
に労働能力その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める率を乗じて得た額を減額した
額となる。なお、対象労働者の範囲については現行どおり。改正法施行前に許可を受けて最低
賃金適用除外となっている労働者については、施行日から1年の間に、新たに最低賃金の減額
特例の許可を受ける必要がある。
4.派遣労働者の適用最低賃金
派遣労働者については、派遣先の地域(産業)の最低賃金が適用される。
5.最低賃金額の表示が時間額のみに変更
時間額、日額、週額又は月額で定めることとされていた最低賃金額の表示単位が、時間額のみ
となる。
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