公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律スタート(平成26年4月より順次)
「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が平成24年8月10日、成立、22日公布されました。
(1)平成26年4月施行分(消費税引き上げ第1段階8%)
- 遺族基礎年金の男女差解消
遺族基礎年金の支給要件の男女間の差異が解消されます。(遺族基礎年金の父子家庭への支給開始)
(2)公布の日から2年の範囲内で政令で定める日
- 産前産後休業期間中の保険料免除 ←平成26年4月から決定!
産前・産後休業期間中の厚生年金保険料を免除し、将来の年金給付に反映されます。
また、現在、育児休業終了後にある措置同様、産前産後休業終了後についても育児等を理由に報酬が低下した場合に、定時決定まで保険料負担が従前のものとならないよう、産前産後休業終了後の3ヶ月の報酬月額を基に、標準報酬月額が改定されます。 - 国民年金被保険者に対する保険料免除措置の検討
国民年金の第1号被保険者に対する産前6週、産後8週間に係る国民年金保険料の免除措置が検討されています。
【給付関係】
- 繰り下げ支給の取り扱いの見直し
70歳到達後に繰り下げ申し出を行った場合でも、70歳時点にさかのぼって申し出があったものとみなされます。 - 国民年任意加入者の未納期間の合算対象期間への参入
60年改正前の任意加入期間のうち、未納期間も合算対象期間とされます。 - 障害年金の額改定請求に係る待機期間の一部緩和
明らかに障害の程度か?増進したことか?確認て?きる場合は、1年の待機期間を要しません。 - 特別支給の老齢厚生年金の支給開始に係る障害特例の取扱いの改善
障害年金受給者については、請求の翌月からではなく、障害状態にあると判断される時に遡って障害特例による支給が行われます。 - 未支給年金の請求範囲の拡大
未支給年金の請求範囲が、生計を同じくする3親等以内の親族(甥、姪、子の妻等)に拡大されます。
【保険料関係】
- 免除期間に係る保険料の取扱いの改善
国民年金保険料の①免除期間に係る前納保険料の還付、②法定免除遡及該当期間の保険
料納付、③法定免除期間における保険料納付及び前納が可能になります。 - 保険料免除に係る遡及期間の見直し
保険料納付可能期間(過去2年分)について、遡及免除が可能となります。 - 付加保険料の納付期限の延長
国民年金保険料と同様に、過去2年分まて?納付可能となります。
【その他】
- 所在不明高齢者に係る届出義務化
年金受給者が所在不明となった場合に、その旨の届出をその受給者の世帯員に対して求め、年金支給の一時差止めが行われます。
(3)平成27年10月施行分(消費税引き上げ第2段階10%)→平成29年10月
- 受給資格期間の短縮
受給資格期間を25年から10年に短縮されます。
(対象となる年金)老齢基礎年金、老齢厚生年金、退職共済年金、寡婦年金
上記に準じる旧法老齢年金
*現在無年金である高齢者に対しても改正後の受給資格期間を満たす場合には経過措置として施行日以降、保険料納付済期間等に応じた年金支給が行われます。
(4)平成28年10月施行分
- 短時間労働者に関する厚生年金被保険者資格の取扱い
週の所定労働時間及び月の所定労働日数に関する「4分の3要件」を満たす者に加え、4分 の3要件を満たさない者のうち、
★ 週所定労働時間が20時間以上
★ 賃金が月額 88,000円以上(年収106万以上)
★ 勤務期間が1年以上
★ 従業員 501人以上の規模である企業に使用されている
の基準をすべて満たすパート労働者(学生を除く)について、適用対象となります。
なお、施行後、3年以内に検討を加え、その結果に基づき必要な措置が講じられます。 - 厚生年金標準報酬月額の下限改定
標準報酬下限(98,000 円)の引下げが行われ、健康保険制度と同様に、標準報酬月額等級に新たに以下の等級を加え、従来の等級が繰り下がります。