労働安全衛生法の一を改正する法律(平成26年6月25日交付 平成26年12月1日より順次)
1.化学物質のリスクアセスメントの実施【公布日から2年を超えない範囲内で別途制定】
○一定の危険性・有害性が確認されている化学物質※1による危険性又は有害性などの調査(リスクアセスメント)の実施※2が事業主の義務となります。
※1 労働安全衛生法第57条の2及び同法施行令第18条の2に基づき、安全データシート(SDS)の交付義 務対象である640物質。
※2 リスクアセスメントの実施時期については、新規に化学物質を採用する際や作業手順を変更する時など゙、従来の労働安全衛生法第28条の2に基づくリスクアセスメントの実施時期を基本に、今後省令で定める予定。
○事業者には、リスクアセスメントの結果に基づき、労働安全衛生法令の措置を講じる義務※3があるほか、労働者の危険又は健康障害を防止するために必要な措置を講じることが努力義務※4となります。
※3 リスクアセスメントの結果に基づく措置は、労働安全衛生法に基づく労働安全衛生規則や特定化学物質障害予防規則等の特別規則に規定がある場合は、当該規定に基づく措置を講じることが必要。
※4 法令に規定がない場合は、結果を踏まえた事業者の判断により、必要な措置を講じることが努力義務。
○上記の化学物質を製造し、又は取り扱う全ての事業者が対象です。
※ リスクアセスメントの具体的な実施時期、実施方法等は、今後省令、指針で定める予定。
実施支援ツール「化学物質リスク簡易評価法」(コントロール・ハンディング)
2.ストレスチェック及び面接指導の実施【平成27年12月1日施行】
○常時使用する労働者に対して、医師、保健師等※1による心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)※2を実施することが事業者の義務となります。(労働者数50人未満の事業場は当分の間努力義務)
※1 ストレスチェックの実施者は、医師、保健師のほか、一定の研修を受け た看護師、精神保健福祉士が含まれる。
※2 常時使用する労働者に対し1年以内ごとに1回、定期に次に掲げる事項について検査を行わなければならない。 参考:職業性ストレス簡易調査票
①職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目
②当該労働者の心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目
③職場におけるほかの労働者による当該労働者への支援に関する項目
○検査結果は、検査を実施した医師、保健師等から直接本人に通知され、本人の同意なく事業者に提供することは禁止されます。
○検査の結果、高ストレスに該当する労働者には実施者から面接指導の申出を行う干渉ができます。面接指導を受ける必要があると検査を行った医師等が認めた労働者から申出があった場合、医師による面接指導を実施することが事業者の義務となります。また申出を理由とする不利益な取扱いは禁止されます。
○面接指導の結果に基づき、医師の意見を聴き、必要に応じ就業上の措置を講じることが事業者の義務となります。
参考資料:改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について
ストレスチェック導入マニュアル
3.受動禁煙防止措置の努力義務【平成27年6月1日施行】
受動禁煙防止のため、事業者及び事業場の事情に応じ適切な措置を講じることが事業主の努力義務となります。
参考:受動禁煙防止助成金(中小企業事業主が喫煙室を設置する場合費用の2分の1の助成)
4.重大な労働災害を繰り返す企業への対応【平成27年6月1日施行】
重大な労働災害を繰り返す企業に対して、厚生労働大臣が「特別安全衛生改善計画」の作成を支持することができることになります。(計画作成指示に従わない場合、計画を守っていない場合などに、大臣が勧告し、韓国に従わない場合はその旨を公表することができます)
5.第88条第1項に基づく届出の禁止【平成26年12月1日施行】
規模の大きい工場などで建設物、機械等の設置、移転等を行う場合の事前届出(法第88条第1項)を廃止
6.電動ファン付呼吸用保護具の型式検定【平成26年12月1日施行】
特に粉じん濃度が高くなる作業に従事する際に使用が義務付けられている電動ファン付き呼吸用保護具を型式検定・譲渡制限の対象に追加。
7.外国に立地する検査機関の登録【平成27年6月1日施行】
国際的な動向を踏まえ、ボイラーなど、特に危険な機械等の検査・検定を行う機関について、日本国内に事務所のない機関も登録可能とする。